咲楽「さくら」

大人

指先に触れた花びらは

ひとひらの吐息のように

静かに溶けていく

遠くで鳥が

春の終わりを告げる

声を落とし

甘い匂いは

もう風の底に消えていた

光と影のあわいで

散りゆく音を聴くとき

胸の奥に

言葉にならない余白がひろがる

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