あさのひかりが まだ ねむたげに ゆれていた
まどのそとでは しろいくもが ゆっくりと ほどけていく
きのうまでの くるしみも ひとつの しるしみたいで
こころのすみで ちいさく てをふっていた
だれも きづかない かぜのにおいがした
とおくで だれかが わらっている
それだけで せかいが すこしだけ やさしくなった
ぼくは それを うしなわないように
そっと めをとじた
きみのなまえを よぶことが
どうして こんなにも せつないのだろう
いまも ここにいるのに
もう ふれられない ぬくもりのようで
とけていく ひかりのなか
ぼくは ただ たちつくしていた
あのひ ことばに できなかった すべてが
いまでも ぼくを いきさせている
なにも もたないてのひらが
いちばん たいせつなものを にぎっていると
ようやく きづいた
きみが のこした やさしさは
ぼくのなかで いきつづけている
あのとき かわした ひとみのいろも
なつのそらの ひかりのつぶも
ぜんぶ いま ここにある
そして ぼくは それを うたにする
ひかりが すべてを つつみこむ
きみのこえも ぼくのなみだも
いまは もう かたちのないものになって
それでも うつくしい ものとして
このそらに のこっている




コメント